《MUMEI》
手紙
"千夏
真琴くん
雅也くん
秋菜へ"



この手紙を皆が読む頃……
私はもうこの世界にはいないんだよね…。
何か…変な感じがする。



突然だけど……
皆は私といれてどうだった??
私はね…
毎日が楽しかったよ。
真っ暗闇だった私の心の中は、皆の優しさや笑顔…
そして温もり……のおかげでキラキラ輝き始めたんだ。


楽しかったよ…。
皆といれて。
幸せだったよ…。
皆がいてくれて。


私……
皆に隠してることがある…。
気づいていたかな?
私の体に無数の傷がついていたこと。
皆は優しいから気づいていてもあまり、聞かないでいてくれたのかな?


そのことについて…
今、教えるね。


私…実は、
お母さんに虐待されてたんだ。お父さんからは性的暴行。


お母さんは何かあれば私に暴力をふって私を傷つけた。
私は何も出来ずにただ、ただお母さんに暴力をふられた。
お父さんは、自分の欲望を満たす為だけに実の娘の私の体をもてあそんだ。
抵抗すれば、お腹や背中を殴られた。
今思えば、レイプのようなものだよね。


毎日、泣きたくなるような日々だった。
辛くて、辛くて……
生きてることが嫌になった。


でもね…
そんな私にも安心できる場所があったの…。


それが学校―…。


学校に行けば友達が明るく挨拶をしてくれて他愛のない話で私を笑わせてくれた。


そして、
千夏、真琴くん、雅也くん、秋菜がいる。
皆はいつも笑顔で私を落ち着かせてくれた。
唯一、私が安心できる場所。
大切で…貴重な時間。
私はずっと学校にいたいと思った。


文化祭でやったバンド…
凄く楽しかったよ…。
もう一回…やりたかったなぁ。秋菜が学校に来てくれた時…
本当に嬉しかったなぁ…。
皆と行ったカラオケ…
千夏と雅也くんと歌えて本当に楽しかったよ…。


皆と過ごした最初で最後のクリスマスイヴ…
千夏のサンタクロース姿…
凄い可愛かったよ…。
秋菜からのプレゼント…
嬉しかったよ…。
雅也くんが熱唱してた、クリスマスソング…
心に染みたよ…。
騒ぎすぎて、私を怒った真琴くん…
あの時は暴れてごめんなさい。

皆と過ごした大晦日。
1年で最後の日を皆と過ごせて良かった。
皆と年を越せて良かった。


そして初詣。
秋菜の着物姿…。
凄い可愛かったよ。
隣にいた私は秋菜の隣にいるのが恥ずかしくなってきちゃったんだよ。


あの初詣で……
皆は何を祈りましたか??


私はね…
"皆が幸せになれますように"
って祈ったんだ。




皆と会えて…
皆と過ごせて…
本当に楽しかった。


もっと、一緒にいたかった…
けど私はもう限界なんだ。


あのお母さんたちと一緒にいると思うと苦しくなる……。



もう生きてることが辛い……


だから、
私はこの世を去ります。



ごめんね……



私…
弱い人間なんだ。



最後に…


皆、大好き……。



大、大、大好き……!!



私は皆の傍にいるから……


空から見守ってるから……



私と過ごした日々、
忘れないで―…………。




さようなら…………






そして
たくさんの幸せをありがとう。





皆がこれからも………




笑顔でありますように……。







"遥より"





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