《MUMEI》 嫌ナ予感輝が部屋を出ると、扉の前に時雨が立っていた。 輝は戸惑いながら頭を下げた。 「輝君だったっけ?」 時雨の横を通り過ぎようとした輝は足を止めて振り返った。 「はい?」 「紬と君の周りに嫌な気が集まってる…気をつけてね」 時雨は一方的に言うと、扉の向こうに消えて行った。 「時雨様…?」 「時雨兄?」 輝は紬の部屋に行って、さっきの時雨との会話を話した。 「うん…なんか…知ってるような気がして…」 「当たり前よ」 紬はチョコレートタルトを頬張りながら言った。 「な…なんで?」 「だって…時雨兄は一種の超能力者だもの」 輝は顔を歪めた。 「は?超能力?」 輝は紬の皿のイチゴタルトを取ろうとしたが、手を紬に叩かれた。 「ご主人様のおやつを盗むな。自分の部屋に置いてあるでしょ?」 紬はぺろりと口の回りを舐めた。 「いーじゃん。1コぐらい…」 「ダメよ」 「ケチ…で?どんな超能力者?」 紬はイチゴタルトを頬張った。 「んー…なんか、気を感じるとか…察知するとか…」 「つまり、時雨様の言った言葉は真実だと…?」 紬は大きく頷いた。 「近いうちに…何かが起こるわ…」 この時…2人はこの予感が…嫌な方向で当たるとは…思ってもみなかった…。 前へ |次へ |
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