《MUMEI》
やっと出た
兄貴は徐にピット前に立った。

そして最終コーナーを睨んでいる。


オレは最終コーナーを回ってくるマシンの群れの中に、ゼッケン8……岡ヤンの姿を確認した。

それは兄貴の目にも入っていることだろう。


その時…!

兄貴は左手を肩まで上げて、人差し指を立ててピットを指差した。


意味(この周回が終わったらピットインしろ!)

なんて単純なサインだろう…


ホーム・ストレートを加速してくる岡ヤンのメットが、僅かに兄貴の方を向いている。

兄貴の指令は確かに伝わった!

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫