《MUMEI》

オレは兄貴の隣に立ち、S字クランクを立ち上がる岡ヤンの姿を目で追った。


兄貴『おぃ健二…』

それは妙にドスの効いた声だった。


オレはその声を無視した。

しかし兄貴は、その無視を更に無視して話し続けた…。

兄貴『お前を頼りにしとるぞ……このレース…絶対に勝つからな!』


それは、およそ兄貴のキャラに似つかわしくない、以外な言葉だった…。

さっき兄貴が言葉に詰まったのは、この一言が照れ臭かった為なのかもしれない。


オレ『……………………おぅ!』

不器用さは親父譲りだ…。やはり血は争えない…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫