《MUMEI》 オレは兄貴の隣に立ち、S字クランクを立ち上がる岡ヤンの姿を目で追った。 兄貴『おぃ健二…』 それは妙にドスの効いた声だった。 オレはその声を無視した。 しかし兄貴は、その無視を更に無視して話し続けた…。 兄貴『お前を頼りにしとるぞ……このレース…絶対に勝つからな!』 それは、およそ兄貴のキャラに似つかわしくない、以外な言葉だった…。 さっき兄貴が言葉に詰まったのは、この一言が照れ臭かった為なのかもしれない。 オレ『……………………おぅ!』 不器用さは親父譲りだ…。やはり血は争えない…。 前へ |次へ |
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