《MUMEI》
ライダー交替
岡ヤンは最終コーナーの外側を回り、左足を上げて合図を送った。

そしてヨロヨロとおぼつかない挙動でピット・ロードに滑り込んできた。

おそらく力の限りを出し尽したのだろう…


徐行ルールが、もどかしい程ゆっくりに感じる。


(早く…早く来い!)

オレは手を上げて岡ヤンを招いた。


ようやくゼッケン8の赤白の NSR がピット前に横付けされた!


岡ヤンは意識が朦朧としているのか…

マシンが停止し岡ヤンの足が地面に着くやいなや、頼りなくその膝が砕けた。

その消耗しきった様子は、身心を削って走るような過酷な40分間を物語っていた。

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