《MUMEI》 ライダー交替岡ヤンは最終コーナーの外側を回り、左足を上げて合図を送った。 そしてヨロヨロとおぼつかない挙動でピット・ロードに滑り込んできた。 おそらく力の限りを出し尽したのだろう… 徐行ルールが、もどかしい程ゆっくりに感じる。 (早く…早く来い!) オレは手を上げて岡ヤンを招いた。 ようやくゼッケン8の赤白の NSR がピット前に横付けされた! 岡ヤンは意識が朦朧としているのか… マシンが停止し岡ヤンの足が地面に着くやいなや、頼りなくその膝が砕けた。 その消耗しきった様子は、身心を削って走るような過酷な40分間を物語っていた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |