《MUMEI》
アマリモノ
「今日も、お仕置きだね〜!!」



―…この時間が、一番嫌いだ。



おれは、『イヌ』という生き物らしい。



そんで、おれを飼ってるのが、




『ニンゲン』。





おれは、生まれつき右の後ろ足が短くて、


兄弟のように上手くは歩けなかった。



おれの兄弟は、
みんな他の『ニンゲン』に貰われていった。



おれは、『アマリモノ』。



―…今の飼い主に、

そう、呼ばれてる。



それが、おれの名前のようなものだ。



でも、おれには
ちゃんとした足がない代わりに、頭がある。


他の『イヌ』より、おれはよっぽど頭がいい。




―…『ニンゲン』に嫌われれば、生きてはいけない。



それが、おれのたった1つの教訓だ。



…だから、



おれは、今日も痛みに耐える。

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