《MUMEI》
ベンチ
おれが捨てられてから2日経った。


歩き回っても、体力を消耗するだけで、
何も手に入れることは出来なかった。



他のイヌには忌み嫌われ、

おれを見たニンゲンは『気味が悪い』と罵る。



…いったい、おれが何をした??

おれは、生きていてはいけないのか…??



おれは、おれが捨てられた
このひと気のない公園のベンチの下に、

ただうずくまって、空腹に耐えていた。




眠い…


もう、終わりか…


なにもかも…



苦しいことは、何もない。


このまま……



おれが深い深い眠りにつこうとしていた


その時。





「どーしたの??」




ニンゲンの、声がした。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫