《MUMEI》 ベンチおれが捨てられてから2日経った。 歩き回っても、体力を消耗するだけで、 何も手に入れることは出来なかった。 他のイヌには忌み嫌われ、 おれを見たニンゲンは『気味が悪い』と罵る。 …いったい、おれが何をした?? おれは、生きていてはいけないのか…?? おれは、おれが捨てられた このひと気のない公園のベンチの下に、 ただうずくまって、空腹に耐えていた。 眠い… もう、終わりか… なにもかも… 苦しいことは、何もない。 このまま…… おれが深い深い眠りにつこうとしていた その時。 「どーしたの??」 ニンゲンの、声がした。 前へ |次へ |
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