《MUMEI》
御用件をどうぞ
僕は今…


この屋敷で…


最も重要な場所に向かっている…


その部屋とは…


ここだ…


プレートには…


“総帥私室”と書いてある…


すなわち…


ここは旦那様の私室だ…


先程…呼び出されたのだ…

この部屋の前に立つだけですごく緊張する…


一体どんな用件だろうか…

僕はドアをノックする…


「……どうぞ……」


中から重々しい声が聞こえた…


緊張が増す…


「失礼します!」


部屋のドアを開ける…


“ピュー”“ビチャ”


顔に何か飛んで来た…


「………水……?」


「アッハッハッハッハッハッハッ」


「……………またか……」

「ね〜どう京ちゃん?この新作水鉄砲?」


部屋の奥には水鉄砲を持った男性が…


「……飛距離は問題なさそうですね……」


僕の顔に当たった水は、まだ結構勢いがあった…


おそらく…軽く30メートルは飛んでたんじゃないか?


「ぶ〜反応が真面目過ぎるよ〜」


まぁ…慣れましたから…


この御方こそが…この家の主にして…西園寺グループ総帥…


西園寺 彰様…


正直…見えない…


年は今年で40歳らしいが全然20代で通用する…


加えてこの性格…


まるで子供だ…


「で…御用件は?」


「あ!そうそう忘れてた!危ない危ない…実はねぇ……大事な話しがあるんだ……」


旦那様の目が真剣になった…


一体…


どんな御用件だろう…

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