《MUMEI》
逃走、逃走。
「く・・っそ。琴、大丈夫か?」
デュラハンに吹き飛ばされた琴と狩月。
琴のは完全に意識を失い、ぐったりとしている。
「・・・・・」
「くっそ・・どっちに逃げれば・・」
琴を担ぎ上げながら正面のモンスターの群れを睨む。
(ロシュ達と合流するのは・・無理だな。)
正面のモンスターの群れはとても一人で相手にできる数ではない。
ならばと、モンスターの数が少ない方角へと走り始める。
「誰か・・守護騎士の人に会えれば・・」
手に持っていた炸裂弾を後方から追いかけてくるモンスターに投げつけ、さらに走る。
(後、3発・・)
ヒュン!ヒュン!ヒュン!
上空を高速で円筒形の物体が飛んで行き、爆音が響く。
「あっはっは〜〜!!」
聞き覚えのある笑い声。
(たしか・・教会のシスター(?)だったよな。)
「あ・・・やっば!!行き過ぎる!!」
「・・・・聞かなかった事にしよう。」
モンスターが現れる度に右へ左へと道を変えながら走っていく。
「またか!!」
急いで右の路地へと入る。
「ぁ・・・」
曲がった先、モンスターが群れをなしていた。
横をすり抜ける幅も無い、左右は高い塀・・
「何で・・こう・・運が悪いかな・・」
やけくそ気味に最後の炸裂弾を投げる。
「後は・・どうにでもなれ!!」
琴を担いだまま、瞬動。目指すは右の壁。
ヒュン・・トン!
3メートルほどの高さの壁の側面に着地。
落ちる前にもう一度瞬動を・・
ヒュン・・トン!
次は左の壁・・
モンスターの頭上を左右に壁を蹴りながら飛び越える。
ズザザザザザザ・・
「おぉ!!」
やった自分に驚いて声を上げる。
モンスターを後方に置き去りにして、走り出す。
正面に見えてきたのは十字路・・
「・・・・琴、お前・・相当、悪さしたんだな。」
両方の道からモンスターが向かって来ているのを見て、思わず呻く。
ソコへ四方向からモンスターが迫る。

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