《MUMEI》
掃射
「そこの二人、伏せ!!」
ドドドドドドドド!!
狩月たちに上空から銃弾が降り注ぎ、迫ってきていたモンスターの足止めをする。
トン。
軽やかな着地音。
「伏せろって言った!!」
着地したエミは怒鳴りながら狩月の足を払い、強引に転倒させる。
「さぁ・・踊りましょう!!」
立ち上がったエミが2丁の魔導銃を左右に向けて構え・・・その場で円を描くように回りながら連射する。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
狩月の頭の上をヒュンヒュンと空気を切り裂いて銃弾が飛んでいく。
キンキンキンキン・・
「ち、次!!」
両手の銃を上空へと高く放り投げ、新たな銃を構えるエミ。
「いつまで寝てるの、下落ちるからね!!」
ドドドド!!
足元に向かって魔導銃を連射、地面を破砕する。
「ぇ??」
バシャアアン・・
一瞬の浮遊感の後、水の中に落ちる。消火用の水槽の中。
「な!?」
「さっささと潜る!!」
顔を押さえつけるように水中へと潜らせるエミ。
ヒュンヒュン・・
エミが上空に投げた魔導銃が地面に落ちる。
ドゴォォォ・・・ォォン!!
十字路を焼き払い、高く火柱が吹き上がる。
「ぷっは!!エミ・・今の・・」
「魔導銃を爆発させたの。そっちは怪我してない?」
バラバラと瓦礫が落ちてきている中、端まで泳ぐエミ。
「なんとか・・ただ、琴が・・」
「見間違いじゃなかったの・・か。」
ガン、ガン、ガン!
壁に向かって魔導銃を撃ち、穴を空けていくエミ。
「とにかく、上へ戻るよ。この穴を足場にすれば戻れるでしょ?」
地上、十字路に戻って来た狩月が見たのは、倒れたモンスターの群れだった。
「すご・・」
「手当てしないとマズいね・・こっちに。」
琴の容態を見ていたエミが苦い表情をしながら、歩き出す。
「・・・解った。」
琴を担ぎ、エミに続いて歩き出す。

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