《MUMEI》
夢伝説
 相変わらず事務所は汚くて澱んでいて居心地はサイアクだ。
 こんな中で生息できる人間が信じられない。
 煙草の煙で視界の悪い部屋の中でオレは顔をしかめた。

 「おっ!?やっと来たの?待ってたよ、こっちこっち!」

 忙しなく手を振りながらヤツはオレを呼び込んだ。

 「・・・ったくさ、ホントこいつら使いモンになんなくてよ・・・」

 デスクそばに立っている若手記者に憎まれ口を叩いてからヤツは「ニッ!」と笑う。
 いくら憎まれ口を叩かれても、この笑いをされたら誰も文句は言えなくなってしまう。ヤツの作戦なのか無意識の笑いなのかは知らないが、どのみち憎めないヤツなのは間違いない。

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