《MUMEI》
振り払う刃、止める声
シンギが怒りも露にゴーレス枢機卿の両腕を斬り捨てる。
「がああああああああああああ・・は・・はっははは・・否定はできまい!!所詮道具なのだ。ひゃは・・はっはっははは・・」
苦痛の叫びの後に続くのはただの怨嗟。
ドン!!
バシャ・・っと枢機卿の足が血の華のように飛び散る。
「・・・ふざけないで、私は・・道具なんかじゃ無い!!レイやここの三人だって・・道具なんかじゃ無い!!アンタの勝手な理屈を押し付けるな!!」
エミは震える足で立ち上がりながら枢機卿へと泣き叫ぶように怒鳴りつける。
「ひゃ・・はは・・それでまだ人間のつもりか?ひゃはは・・お笑いだな・・散々頭の中や体を改造されて、薬物を投与されて・・それで人間だと!!はっはっはっは・・ふざけ・・」
「・・喋るな、お前ムカツクんだよ。」
シュン
物陰から一人の青年が立ち上がる。
その手には一振りの刀とその鞘。
ドシャ・・
倒れた枢機卿の体から首がごろごろと血を噴出しながらシンギの前まで転がっていく。
グシャ・・
なんのためらいも無く。シンギはソレを踏み潰した。
「・・そこの三人を殺す。邪魔をするならお前達も殺す。」
静かに床に倒れたままの三人を睨み剣を構え直すシンギ。
「ふざけんな!そこの三人だって・・」
ドシャ・・
立ち上がろうとしていた三人の内二人が腐り落ちるように倒れ、動かなくなる。
「例え生きていたとしても、一度死んだ身だ。・・いずれモンスターとなって人を襲う。」
「ぁぁぁぁあああああ・・・・・」
呻き声を上げながら再び立ち上がる二人。
「このようにな!!」
シンギに向かって噛み付こうとした二人は一瞬にして炎に包まれ、灰となった。
「それでも・・!!」
「あ〜なんか気に喰わないな。あんた嫌いなタイプだ。」
エミがゆっくりとブラッドバレル・レプリカを構え、もう一人の青年も刀をシンギへと向ける。
「邪魔をするのか・・」
「貴方は・・レイも殺す気でしょう?なら絶対ココで止める。」
シンギを狙ったまま、強引に立ち上がるエミ。
「・・やめて・・」
3人がそれぞれ武器を構え、攻撃に移ろうとしていた時だった。3人の声ではない声が響く。

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