《MUMEI》 私の小さな小さな世界部屋の小さな窓から見える、私だけの掛け替えのない世界。小さな小さな私の世界。 いつも見えてた、 遠い遠い水平線。 いつしかビルが建ち、 ビルが建ち、 海を隠し、 大地を覆った。 無機質な大きな壁が、 私の見える範囲を少しずつ、 少しずつ狭めてゆく。 私は知らない。 この窓から見えないものを。 私は知りたい。 この窓から見えないものを。 遠く青空をゆく鳥を羨んだ。 遠く青空をゆく飛行機を羨んだ。 いつか行けるのだろうか。 自分の知らない世界へ。 遠く知らない世界へ。 ……私は知りたい。 私に残された、 たった一つの大空。 雨が降れば私も泣いて、 空が澄めば私も笑った。 遠い空に憧れて、 碧い空に憧れて、 いつしか私は………。 私は………鳥になった。 次へ |
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