《MUMEI》
加藤視点
「裕斗…俺お前が信じらんねー」
俺は溜め息混じりに吐き出した。
裕斗が俺に言ってた事と全然違う行動。
自分から隆志に積極的にキスをねだるなんて…。
裕斗はただ黙ったまま立ち尽くしている。
すると隆志は裕斗の肩に手をかけ、ぐっと引き寄せた。
「俺達に何か用か?」
隆志から俺に対しての第一声。
隆志は自信に満ちた表情で当たり前の様に裕斗の肩を抱いている。
…悔しい……
悔しいけど、俺とは違って裕斗は綺麗で長身で…
…隆志とめっちゃ似合ってる。
俺なんかチビだし、中学生に間違われる位童顔でマジムカつく位ガキ臭い…。
「無い…、ないし…。もういい!!」
俺はその場に居られず踵を返し走りだした。
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