《MUMEI》
会えるだけで
,




雅也はいつも私の傍にいてくれたね―…



ねぇ…雅也―…




あなたは私にとって、
かけがえのない存在だよ…。













帰り道…



私と雅也は無言だった。



何を話たらいいんだろ…。


すると、



「秋菜は俺が守るから…アイツから守ってやるから」





って、言った。



アイツって裕樹のこと……だよね……



「ありがとう…雅也―…」


「まっ!!お前も気をつけろよ!!隙がありすぎなんだよ!」


「うっうるさい!」


「本当のことだろ!!じゃあ、また明日なぁ〜」


「もぉ〜」


まっ…


いっか。








家に帰って私は直ぐにお風呂に入った。



雅樹に悪いことしちゃった…。


雅也の言う通り、私は隙がありすぎなのかな…。




お風呂から出て、ベッドに寝転がる。



なんか、雅樹に会いたいなぁ…



無理だよね………



私のワガママなんか聞けないよね…



芸能人だし……



仕事あるし………





仕方ないことなんだけど…



どうしても会いたくて……




声だけでも聞きたくて………






私は雅樹に電話していた…。







『もしもし〜?どうかした??』


「突然ごめん…何か会いたくなっちゃって…」



『どうした!?何か……あったのか??』



「そうじゃなくて…何か急に会いたくなっちゃって………ごめんね…!!迷惑だよね…」



あ〜ぁ………



迷惑な奴って思われたかも…。



仕方ないよね…




『俺も…………』



「え??」



『俺も秋菜に会いたい』



「雅樹……………」



『もうすぐ仕事終わるから……7時ぐらいにあの公園に来て』


「……うん!!」



嬉しい………



雅樹に会える……






それだけで





私は凄く嬉しかった。





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