《MUMEI》
小さな丘
,





私は走って公園に行った。



すると既に雅樹は来ていた。



「雅樹…!!」


「秋菜!!」


私は雅樹に抱きついた。


「何か秋菜…今日は大胆だな♪」

「うるさいなぁ…」


「そんな秋菜も可愛いけどね!!」

そうやってまた……


私をドキドキさせる。


「一応、帽子かぶってきたけど多分誰かに見つかるかも…」


「どうしよう…」


「秋菜!!俺さ、とっておきの場所があんだよ!!そこ行こう!!」


雅樹は私の手を引いて、走り出す。


一体、何処に………








「秋菜!!目、瞑って!!」


「えっ…」


私が躊躇っていると、雅樹は子供みたいに私を急かした。


「俺がいいよって言うまで開けるなよ!!」


「はぁ〜い」


何だか怖い〜………


雅樹が私の手をしっかり握ってくれてるのは分かるんだけど…

何か足元がちょっと不安定…


「雅樹まだ?」


「もう少しだから待て!!」


何か怖い…


何処行くんだろう。



「いいよ!!」


雅樹がそう言ったので私はゆっくり目を開いた。



「……わぁ…」


私が目を開けると、そこには輝く星が広がっていた。


綺麗………



「此処は俺の大好きな小さな丘なんだ♪秋菜と別れて、辛い時は何時も此処に来てたんだ!」


こんなところ……




あったんだ。



「多分、ここらじゃ星が一番よく見える場所だと思う!秋菜も気に入った??」


「凄い気に入った!!綺麗!」


「やっぱりな♪俺と秋菜だけの秘密の場所だ!!もしも俺が忙しくて会えない時は此処に来てみろよ!!きっと星が慰めてくれるよ!!」


「うん!!そうする!!」










雅樹―……



あの小さな丘は…




今でも





私たちだけの





秘密の場所だよね…??








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