《MUMEI》
寂しそうな瞳
,





今時の服を完璧に着こなした、スタイル抜群の体。



真っ直ぐに伸びる綺麗な足。



透き通るような綺麗な声。



深く帽子をかぶったものの、綺麗な茶色い髪は少しはみ出ていた。



そう………



そこにいたのは…











雅樹だったんだ―…………。











「誰だよ?お前」


顔が見えないせいか、裕樹は相手があの有名芸能人、"MASAKI"だとは気づいていない。



「それは言えないな」


「はぁ!?」


「とにかく秋菜に近づくな」


「お前…夏川?夏川雅也か??」


すると雅樹は黙り込む。


違うんだから、違うって言えばいいのに。


「夏川雅也なのか?」


「…………違う」


「なら、関係ないだろ!?他人が首突っ込むな!!」


「他人じゃない!俺は秋菜の…








たった1人の恋人だ!!」







雅樹―……………






何でだろう………





何か凄く嬉しい………。






「まっ……マジ??」




裕樹は驚いた表情で固まっていた。



「嘘なんかじゃないからな!分かったら早くどっか行け!!」



すると裕樹は私の方をちらっと見て、公園から出ていった。





その時の裕樹の瞳は……







何だか






凄く寂しそうだった―……








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