《MUMEI》

――部屋に入り、裕斗と俺はさっきからずっと黙ったままソファに座っている。





マンションに入って直ぐに
裕斗をドアに押しつけ躰を求めたが、泣きながら拒絶された。





力の入らない腕、本当は抱き寄せて欲しそうな色を浮かべた甘い表情…。





――だけど






『俺好きな人がいる、
だから…ダメ…』





――か細い声で聞こえてきた台詞。





そして無理矢理シャツを開いた中、鎖骨にくっきりと残るキスマーク…。





乳首に前歯で噛まれた様な、極細い痂。







――その台詞と同時に眼に映ったその光景…。





俺はゆっくりと裕斗のシャツから手を離し…、
そして裕斗は自分の躰を抱きしめたまま、その場に崩れ落ちた。





『ここは寒いから…』






俺はやっとの想いで言い、裕斗の手を取ると素直に立ち上がってくれ、後ろから付いて来てくれた。





――しかしとりあえずお互いソファまで移動したは良いが…。





俺は何本か目の煙草を灰皿に擦りつけた。






「…なあ、裕斗ってさ…」


「…うん…」


「もしかしてさ、淫乱?」


「…うん、淫乱…かな、淫乱…、そうだね…」






ドサッ!!




「隆志…」





俺は裕斗をソファに押し倒し上から見下ろす。





裕斗は、不安げに俺をじっと見ている。




「好きな奴って前に言ってたタメ?」




裕斗は無言で…、ゆっくりと頭を横に振った。




「じゃ、跡つけたのはまた他の男?…つかそれじゃーヤリマンは裕斗じゃん。
マジふざけんなよな…」




俺は自分のベルトを引き抜き、裕斗の両手を縛りだす。



「な、隆志!!」


バチンッ!!
バチンッ!!!



「ヒッ!ヤだあ!やだあ――っ!!」




俺は裕斗をおもいきり平手で殴り、シャツを一気に引きちぎった。



ボタンが一気に弾け飛び、淡い色の乳首におもいきり噛みついた。




「ヒアァ――ッッ!!ヒッ、ヒッ!!あ…千切れちゃう、や、あっ、いやぁ!!いやぁ――――ッッ!!」




俺はもう片方の乳首にも強く噛みついた。

「アア〜ッ!イヤアッ!」





口の中が鉄臭い…。



唇を離すと両方の乳首に俺の前歯の跡がつき、鮮血がにじんでいた。




裕斗は余程痛かったのか怯えた色を浮かべながら目尻に涙を浮かべている。




「痛かった?つか裕斗は痛いのが好きな淫乱だろ?
もっと痛めつけて俺以外の男じゃ満足出来ねー躰にしてやるよ…」









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