《MUMEI》
転倒
「キャッ!」

あたしは前のめりりになって倒れた。
勿論彼も一緒。


砂についた顔は汚れていて、目からは涙がこぼれた。

しかし、彼は笑顔でVサイン。

目の前にいたはずのアンカーはおらず、トラックの反対側で真っ白なゴールテープをきっていた。

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