《MUMEI》
幼いあのころ
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月曜日…



の、放課後…




私は裕樹に呼ばれた。




「裕樹………」



土曜日のことがあったせいか、私は少し気まずかった。



「秋菜さ…彼氏いたんだな…」



「あっ…うん…」



「知らなかった…」


気まずい…………。



「ごめん…」


えっ……?



「俺、秋菜に彼氏いんの知らなくて…秋菜にあんなこと…最低だわ…」


「裕樹………」


「俺さ…秋菜のことだから彼氏なんかつくらないで、まだ人に自分を売ってるのかと思ってたよ…でも…秋菜はもう前に進んでたんだな」


裕樹の横顔は…


今まで見た中で一番、切なかった。


そして、
寂しそうだった―…。


「俺は全然、前に進んでねぇよ」


裕樹は空を見上げる。


私も空を見上げた。


「俺さ、秋菜のこと好きだったんだよ…」


「うん……」


「ずっと……秋菜のことだから俺のところにひょこひょこついてくると思ってたんだ……昔そうだったから……でも俺の考えが甘かった…秋菜だって、人間なんだ…成長するのは当たり前だよな…」


「私は…成長してないよ…弱いままの私……」


「そんなことねーよ…秋菜は成長した」


裕樹は優しく笑った。


昔の…


まだ幼いころの笑顔と一緒だ。

「あの夏川雅也だっけ?アイツは知ってんの??秋菜に彼氏いること」


「……知らないよ…言えない」


「そっか…アイツにも謝らないとなぁ〜…悪いこと沢山、しちまったし」


「雅也は平気だって!」




私と裕樹は笑った。





幼いあのころに………






戻ったかのように―……。







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