《MUMEI》

『テンア、大丈夫だ。薬も注射もやらないから、安心しろ。』


「あぁ。それより早く片付けろ。」


『マスター、すみません。』


「いんですよ。」


マスターは指を鳴らし、カゴをどこかに消した。


「テンアさん、もう大丈夫ですよ。怖い思いをさせて、ごめんなさい。」


「怖くない。嫌なだけだ。」


「怖がってたくせに。」


テンアはシンヤを睨みつけた。

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