《MUMEI》
春がきたるらし
車って人の顔にみえるなってよく思う。
誰かに言ってもわかってもらえないけど。


「ねぇ、じゃああの車は?笑顔?泣き顔?」
黄色の丸っこい車に指を指してリボンちゃんが僕に聞いた。

君にはどうみえる?」    


リボンちゃんが困ったなって首を傾かせると首についてるリボンの鈴がちりんと鳴った。 
「んぅ…困ったな。」
「なぜ?」                                                 
にこりとひまわりみたいにリボンちゃんがわらった。 
「だって泣いてるって言ったら春くんを慰めてる雰囲気じゃないよね」


そういってリボンちゃんは笑ってくれた。気づいたら黄色のまるっこい車には白いスーツの男の人が、乗っていた。
「ねぇあの人こっち見てるよ。」
リボンちゃんはまた少し笑って僕をみた。                                                   空は紫色と赤色を混ぜたような色で遠くで花のにおいがした。 
「お腹すいたね。かえろうか。」
彼女がそういったので立ち上がると視界が歪んだ。
 

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