《MUMEI》
お手本
オレは暫く、サロンのケツを追い掛けて走った。


コーナーで離され、直線で追いつく…

そんな展開を4周ほど繰り返していた。


その間、オレは只なんとなく走っていた訳ではない。

サロンがブレーキングを開始するポイントや、コーナリング中の姿勢…

また、サロンが使っているギアなどをじっくりと観察していたのだった。


彼は間違い無くオレなどより優れたライダーだ。

もし彼が NSR を駆っていたら…

きっと岡ヤンや金髪小僧に匹敵する速さを見せつけたことだろう…。

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