《MUMEI》
双剣は止まり、一時の仲間となる。
「な・・」 「嘘、適合者・・・なの?」 「・・・」
白い髪をした女がゆっくりと、だが確実にシンギのほうを向く。
「お願い・・私は・・」
「シンギ、手を貸して。」
開け放たれたままのドアからレイが現れ、シンギに剣を向けながら声をかける。
「・・・解った。お前がそれで良いなら手を貸そう。」
レイを一瞬見つめ、静かに双剣を鞘へと収めるシンギ。
「銃を納めてください。」
エミとシンギの間に入るようにしてレイがエミに声をかける。
「でも・・」
「お願いします。」
「ぅ・・解った。けど、ちゃんと説明して。」
銃を収納するエミ。
「要するに、ココから街の外まで俺に護衛をしろって事だ。お前も、そこの白髪も、奥の二人も戦力的にはアテにできないからな。」
つまらなそうに顔を背けるシンギ。
「・・・それで、街を出たらどうする気?」
シンギを鋭く睨みながらエミが問いかける。
「さぁな。当初の目的は果たした後だ、正直な話、どうでもいい。」
スタスタとドアの外へ出て行くシンギ。
「・・・レイ・・」
「No123・・いえ、ロア・アーキルス。貴女もそれで良い?」
白い髪の女性、生前は澄んだ蒼い髪とその槍の腕前から「想月の槍」と呼ばれていた守護騎士は静かに頷いた。
「そう、なら決まりね。」
「ってマテ!!俺は放置か!!」
刀を鞘に戻していた青年が心外だとばかりに声を上げる。
「・・・・・」
無言で立ち去るレイ。

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