《MUMEI》
闇の中の明光
「あー、えっと、…ここ…何処だ?…オイオイオイ!?洒落になんねぇぞ!?」

天使、快楽は不幸があると判断した魔界に来ていたが、…迷っていた、なにしろ本人は産まれて初めて、魔界に来たのだ。当然道など解らず、とりあえず、反応のあった場所まで飛んで来たのだが…

「ん?反応が移動してる!?…まさか…また捜すのか!?…めんどくせぇ…力使お♪」

何とも楽天的に強大な力を魔界の上空で使った結果…

「おい!アレなんだ!?」

「変なのが空を飛んでるぞ!!?」

多くの魔界の住人たちが寄ってきた、

「あれ…?もしかして…俺…ヤバい!?」

下からは何故なのか、落とせ!落とせ!という心なしか少し楽しんでいる危険な声も聞こえてくる。
「ヤバ…!」

快楽は自分の出せる最速の速さでその場を後にした、大体魔界の者が見えなくなると、スピードを落としながら不幸の元を探し始めた。

「確かここらへんだったよな…?」

探し始めて少したった頃…海らしきものが見え始めた所で………………不意に、体が空中から地面…岬に向かって急降下した。

「へ!?え?ぇぇぇぇぇぇ!?!!!!!!!!?」

ベチャ、ともし音がでるならそういう音になるだろう落ち方を快楽はした…しばらくして、痛みが引いたので快楽はなにが起こったのか、判らずとりあえず顔を上げた。

「うう…いったい何が起こったんだ…?」

快楽が顔を上げると…、そこには無表情の女の子が立っていた…快楽は当たり前だが、ある意味代名詞とも言える言葉を出した。

「………?誰…だ?」

「……………天使?なんでこんな所に天使が?」

不思議そうな顔をしたまま考え込んでしまった。

…本当に誰だ?この魔界に居るなら魔族か?つか、ここどこだよ…

「なぁ…ホントお前誰だ!?」

「………ミスア…ミスア=インフェルノ…」

「そうか…なぁミスア…で良いよな?ここらへんに不幸な人居るだろ?出来るなら教えてくれないか?」

初対面のしかも女に何の疑いも無く、自分の捜している不幸な人を尋ねる快楽、だが快楽は全くと言ってもいいくらい、気にしてはいなかった。 ミスアは少し遅れて答えを紡ぎ出した。

「…………知らない…」

当たり前と言えば当たり前な言葉を出す。これで目の前の天使は何処かへ行くだろうと思っていた、ミスアは次の紡ぎ出された言葉で衝撃を受ける。

「あ、なーんだ!お前かよ!いやー、俺運良いなぁ!!」

ミスアは動かない、いや、動くことが出来なかった。目の前の信じがたい事実にミスアはただただ驚愕する。

…え?…なんで?…名前しか言ってない奴にいきなり不幸なのを見透かされたの?何それ?ナニソレ?ナニソレ…

これだけでも充分ミスアにとって驚愕するに値する出来事だったが、快楽は更に混乱させる言葉を吐き出した。

「へぇ!君、魔王の娘なんだ!?凄いなぁ!尊敬するよ!その若さにして、魔界の姫をやってるなんて!でも君は自分には向いてないって思っていたから自分がこの魔界で唯一好きなこの場所で悩んでいたんだね!?」

「?!??!??!?!!!!!?!!?」

ミスアは完全に混乱した、それは自分が魔王の娘なのを見破られたからではなく、自分の悩みを初対面の天使が知っていることに混乱していた。
「な…なん…で…?」

「ん?」

「何で何処の馬の骨かもわかんないあんたが!!私の事をそんなに知ってんの!?」

「見てわかんねぇ?俺が天使だからだよ。」

まるでこれは世界の常識だ、と言っているような口調で淡々とただ淡々と語る。

「説明するとな?俺は神様に頼んで、人助けしに来たんだよ、んで一番不幸な奴を探したら魔界に反応したんだよだから今此処で落とされてんだけど、それにしても凄いなぁ!俺初めて魔法喰らったよ!君が出したんだろ!?あれ!」

目を爛々と輝かせ、マシンガントークを吐きながら、勝手にテンションを上げていく快楽、それに対してミスアは疑問が一つ増えた。

…あれ?私、魔法使ったのコイツに言ったっけ?…

†理解と決断へ…

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