《MUMEI》
外へ
「あ〜・・オレも行って良いか?」
清が琴を床に下ろし、戦場を見ている。
「悪いけど・・ダメ。ココで防衛線になっといて。」
エミは自身の傷の手当をしながら清の提案を却下する。
「・・俺はどうすれば??」
「何か、武器持ってるなら、それを並べて!」
言われるままに食堂で収納した武器を並べていく。
「・・・これしかないけど?」
「この槍、借ります。」
一本だけ持ってきていた槍をロアが持ち上げる。
「槍があれば自分の身くらいは守れるから。」
確かめるように軽く構えるロア、リースの構えに良く似ている。
「エミ!」
シンギとレイが振るう刃をすり抜け、3体のモンスターが攻撃してくる。
「ようやく、オレの出番か!!」  「失礼!」
刀を構えた清の横を白風となったロアが駆け抜けていく。
「ちょ・・オレの獲物!!」
ドスドスドス!
連続で突き出された槍は的確に急所を貫いていく。
「く・・」
ロアの体がふらりとよろめく。
「病み上がりのくせに暴れるからだろ!オレに任せろ〜!!」
ロアに向かって振り下ろされた剣の一撃を清が左手に持っていた鞘で受け止め、右手の刀で胴を薙ぎ払う。
「つ・・狩月、琴を担いで。清だっけ?肩貸して!!」
手当てを終えたエミが声を上げる。
「あぃよ!」
シンギとレイを突破してきたモンスターを全て葬り、清がエミの横へと走る。
「急ぎましょう。」
ロアも槍を構え直し、シンギとレイの二人が戦っている方に目を向ける。
「・・120秒たった、先に行くぞ!!」
劫火に魔力を籠め、発生させた炎で数体のモンスターを焼き払う。
「・・随分優しいのね、既に200秒は経過してるのに。」
レイが召還した氷の矢によって次々とモンスターが倒れていく。
「道を開けるぞ。」 「えぇ。」
頷くのは同時、蒼海によって大量の水が発生。
レイの魔力によって瞬く間に凍り付いていく。
「氷結・・完了。」
「行け!!」
氷の巨槍となった水が地上へと地面を突貫していく。
氷の巨槍が通った後は斜めに抉られ地上までの道となっている。
「行こう!!」
肩を借りながらも走ってシンギとレイが開けた道を走っていく。

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