《MUMEI》
魔女の出陣
「では、後は任せる。」
ハンディングはすでに街の外へ、途中で合流した住人や守護騎士、自警団のメンバー合わせて200人近くの集団で移動を終えていた。
「待ってくれ、俺らも行く。」
守護騎士の一人が剣を片手にハンディングへと声をかける。
「数が少ないとは言え、モンスターも攻撃を仕掛けてきているのだ。あまり戦力を分散させては・・」
言葉を途中で区切り、周囲を見渡すハンディング。
周囲には数万人単位のヒトが雑然と集まっていた。
「・・・我が彩詩を呼んで戻ってくる、それまでに何とか混乱を収め移動できるようにしておく事が一番重要だ。コレだけの人数だ、容易い事では無いだろう、だが・・」
それが仕事だとは言わず、街の方へと向き直る。
「だが・・俺らだって戦えるんだ。まだ街にヒトが居るんだぞ!?」
「そなたらが護るべき者達がココに居るのだ、まずその安全を護れ。」
一歩、街に向かって踏み出したハンディングの足元に魔法陣が発生する。
「くっそ・・・」
「・・安心せよ。そなたらの団長が残っているのだ。」
それだけ言い残し、ハンディングはテレポを起動、街の門前まで移動する。
「ココまでが限界か・・」
その一言に応じるように周囲に炎が荒れ狂い、ハンディングの周囲に居たモンスターを焼き払う。
「ソコの者、西の林へ行け。」
モンスターによって足止めされていた20人近い集団がハンディングの突然の出現に驚きながらも走り出していく。
「彩詩と・・合流せねばな。」
街の中へと足を踏み入れながら呟くハンディングの周りには炎が荒れ狂い、近寄るモンスターをことごとく焼き払っていった。

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