《MUMEI》
返り咲き
ラパイドに圧倒的な力の差を見せつけられ、オレは打ちひしがれた思いでペースを落とした…。


…いや

正確には"糸"が切れたと言うのが正しい。


オレは陽炎の中に揺らめくゼッケン1のマシンを恨めしく睨むことしか出来なかった…


その時…

5〜6秒ほど前をゆくラパイドが、バック・ストレートの途中で右足を上げた。

ピット・インの合図だ。

ゼッケン1のチームの、最初で最後のライダー交替のためだった…。

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