《MUMEI》
お揃い
,






「体育祭??」



雅樹は右手に持ってたコップを置いてそう言った。



「うん!!9月27日に体育祭やるんだ」



「へ〜秋菜、何組??」



「赤組だよ!!リレーの選手にも選ばれたの」



「マジ!?頑張れよ!!俺、応援してやる!」



「来てくれるの??」



「うーん…それは無理かな…その日、歌番組の打ち合わせと収録が入っちゃってるんだよね…行きてぇなぁ〜…」



雅樹は残念そうに顔を伏せる。


それだけで、何だか嬉しくて。


「じゃあ雅樹も頑張って!!私も頑張るから!」



「おぅ!!あっ、そーだ!」



雅樹は鞄をあさりはじめた。



何か探してるみたいだけど…


何やってるんだろう……。



「あった!はい!!秋菜!!ストラップ!コレ、俺とお揃いだから体育祭の時持って行って!!俺も収録の時、持って行くから!」


「ありがとう!!」



雅樹は私に手渡すと自分のも見せた。


色違いだ。



私はピンクで雅樹はオレンジ。


凄く嬉しかった。



「携帯につけるね」


「じゃあ俺も携帯につける!」



私と雅樹は携帯にストラップをつけた。



「ずっとつけてようぜ!秋菜の体育祭が終わっても!!何か恋人って感じだし!」



「うん!!」













ねぇ、雅樹―……







私の携帯には










雅樹とお揃いのストラップ……










まだ、







ついてるんだよ―…………









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