《MUMEI》
脱落してゆく者達
レースはようやく折り返し地点を過ぎた。


ゼッケン1のチームが2位に後退したことにより、オレは再びトップを独走していた。

だがそれも束の間のことだろう…。

すぐにラパイドのチームの第2ライダーや金髪小僧が追い掛けてくる…。

オレの心は、少しも晴れることは無かった。


ラパイドを追うことに夢中になっていて気付かなかったが、数周前まで絡んでいたサロンの姿が、いつの間にか消えていた。

ピットインしたか、或いはペースを落としたのだろう…。

もしそれが後者の理由なら、オレのタイムが伸びたことを意味し、ささやかながら自信にも繋がるのだが…。

今は、それを確かめる術など無かった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫