《MUMEI》 バトンタッチ, 赤組の第一走者の男の子は今のところ、二位。 一位は言わなくても分かると思うけど千夏。 「いけー!その調子だぁ!」 雅也は大きな声で叫ぶ。 今、グラウンドは歓声に包まれていた。 白組は一位のまま、第二走者にバトンタッチ。 赤組はギリギリ二位で第二走者にバトンタッチ。 青組は赤組の直ぐ後ろまできている。 赤組の第二走者の1年生の女の子は大きく腕を振って走る。 白組と距離が縮まってきた。 三色共、同じタイミングで第三走者へ。 すると、 「やっべ!青組、真琴だ…」 雅也が青ざめたように言う。 私は青組の第三走者を見た。 ………嘘!? 真琴は一気に差をつけて、一位へ。 速い…… 速すぎ………。 「「キャー!!真琴せんぱーい!」」 うわっ…… ファンの子たち凄い… 青組は余裕に一位で第四走者へバトンタッチした。 少し間が空いて、赤組、白組も第四走者へ。 トップは未だ、青組。 青組の第四走者は余裕の表情。 真琴が速すぎたんだ…… 赤組の第四走者、3年の男子は少しキツそう。 あんなに距離が空いてる……。 「頑張れ―――――!!!」 「赤組ファイト―!!」 赤組席からは皆が一生懸命、応援してくれている。 負けてらんない! 青組はいつの間にか、第五走者へ。 赤組と白組はまたまた、同じタイミングでバトンタッチ。 次は私だ…。 私は緊張しながらも、バトンを待つ。 「秋菜!頑張れよ!」 雅也が私に笑顔をむけた。 私は笑顔で頷いた。 赤組と青組の距離がいつの間にか縮まっていた。 私の隣で青組が第6走者へバトンタッチ。 その後、直ぐに赤組の2年生の女の子が走ってきた。 「秋菜先輩!頑張ってください」 息を切らしながらも、女の子は私にバトンを渡した。 私は強く頷き、勢いよく走り出した。 , 前へ |次へ |
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