《MUMEI》
奇跡の大逆転
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私は走った。



ひたすら、走った。



熱い、太陽の日差し。


皆の声援。


私は青組の近くまで来た。


でも私の後ろには白組が追い詰めてきていた。


青組の女の子は私に気がつくとスピードをあげた。


あと
少しなのに…!!


「秋菜―――!!!!頑張れ―!!」


雅也は私に手を振りながら大声で叫ぶ。


赤組の席からも沢山の声援が聞こえてくる。


私はまず、白組との距離をはなした。


あとは青組を抜かすだけ…!!



でも青組はスピードをぐんぐんあげていく…。


速い……



青組はとうとう、アンカーへとバトンタッチ。


私は最後の力を振り絞って雅也にバトンタッチした。


「雅也…ごめん!!」



「俺に任せろ!!」



雅也はバトンを受け取ると勢いよく走り出した。



白組も遂に、アンカーへバトンタッチ。


皆は更に大きな声を出す。



雅也は青組との距離をぐんぐん縮めていく。



雅也…!!
頑張って―………!!



雅也は肩にかけてあったタスキを取り、手で強く握りしめた。


あと


少し―……!!


もう少し―……!!



ゴールはもう目の前…



お願い―………!!



私は雅樹から貰ったストラップを強く握りしめた。




そして強く目を瞑った。





雅也―……………!!!!!














『一番……赤組―――!!』












えっ!?



私は目を開けた。



すると汗だくの雅也は私にブイサインで笑顔をむけた。




「俺、やったぜーー!!」





赤組の皆は大きな拍手を雅也におくった。





「雅也―…!!」




私は大きな声で雅也の名前を呼んだ。








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