《MUMEI》
突然の出来事
,





「文化祭…何かいいもんねぇかな〜」



私と雅也は帰り道……


文化祭のことで話していた。


「何かやる気おきないよね…」


去年は遥がいたから…


皆でバンドの練習をやってたけど…
今年はもう…


遥はいない―……


「秋菜―……遥の墓いこう」


雅也がいきなり言ったので私は驚いた。


けど、直ぐに
「…うん」
と返事をした。








久しぶりに来た遥のお墓は最後に来た時と、変わっていなかった。


「遥…久しぶり!俺だぜ!!雅也!もうすぐ文化祭なんだけどさ〜出し物が決まらないんだよ…」

雅也は遥のお墓を手で触りながら、寂しそうに呟く。


遥…


久しぶりだね…
元気??
ちゃんと笑ってる??


私…
遥にもう一回、


会いたいな…。



私は知らず知らずの内に涙を流していた。


「はるっ………遥……」


「秋菜―…!?」


泣いている私に気づくと、雅也は立ち上がった。


「遥……」


「秋菜―…泣くなよ…」


雅也は私の涙を優しく拭く。


「秋菜が笑わないと遥だって泣いちゃうだろ?心配しちまうだろ?」


私は無理に笑おうとするが、涙は止まってくれない……。


「泣くなよ…秋菜!」


雅也はいきなり私を強く抱きしめた。


「秋菜が笑わないと………俺も不安になる…この気持ち―…止められなくなる…」


………え…………??



私を上を向いた。


そして思いもよらないことが起こった―……









……………――。







雅也と私の唇が重なっていた…










私はあまりに突然の出来事に抵抗も出来ない―……




すると雅也は我に返ったように私からはなれた。





「っ…ごめんっ……俺、最低だわ…」



すると雅也は自分の鞄を持って走っていってしまった―…










,

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫