《MUMEI》 小さな丘で, 雅也が去った後も…… 私の唇には雅也の温もりが残っていた……。 私は家に帰り、ベッドに座り込んだ。 何で―…?? 何で雅也は私にキスしたの…?? 何で―… ―♪ いきなり、ケータイの着信音が鳴り響いた。 私はケータイを開き、今きたメールを見る。 雅樹からだ―…。 《この前、俺が教えた小さな丘に来て(*^_^*)》 私はケータイをポケットにしまい、そのまま家をでた。 私が丘についた頃、雅樹はベンチに座っていた。 「おっ!!秋菜!!意外と早かったな♪こっち来て!!」 雅樹は笑顔で手招きする。 私は走って雅樹の隣に座った。 「ほら!!見ろよ!!今日、めっちゃ星が綺麗!」 雅樹は無邪気に笑いながら空を指差す。 何にも知らない雅樹に私は、罪悪感でいっぱいだった。 他の人にキスされた…なんて、嘘でも言えない。 私は苦笑いしながら、雅樹が指差す空を見上げた。 「秋菜―…何かあったのか??」 雅樹は心配そうに私の顔を覗き込む。 「うっ…ううん!!何でもない!」 私は雅樹に心配させないように笑ってみせた。 「そうか…何かあったら言えよな…俺、秋菜の彼氏なんだからさ」 「ありがとう…雅樹……」 私が頷くと雅樹は満足そうに笑った。 「そういえば、雅樹……何で丘にいきなり呼んだの??」 「…………星が見たくなっただけ!しかも、今日たまたま仕事が早く終わってさ!たまにはいいかな〜って思って!!」 私は知らなかった―…… 本当は今日、雅樹が仕事だったこと… 「あっ!!秋菜!!流れ星!」 雅樹がこの丘に来た……… 本当の理由を―………… , 前へ |次へ |
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