《MUMEI》
ちょっと固くなってきたピザ。
それでも腹減ってるから美味い。
「でさ、誰なん?惚れた奴って…まさか俺の知ってる奴?」
「んー、直接は多分知らないと思うんだけど…、言わなきゃダメ?」
隆志に今更隠す事でもないけど…どうなんだろ?
「ダメじゃねーけどさ、やっぱ気になんじゃん、一応ライバルだし?
」
「ライバル〜、ライバルかあ…はは…、なんか変なの…、変…」
「変じゃねーよ、いーから言えよ」
俺は立ち上がりベッドの方に歩いていく。
「ねー、これさ買う時恥ずかしくなかった?つかマジで買う奴いるんだねー」
俺はバイブにスイッチを入れグリグリと動くのを見ながら言う。
「別にそれ位恥ずかしくないよ、つかそんなんラブホで普通に売ってんじゃん、欲しいならやるけど?」
「いらねーよ、あーやっぱね、他の奴に使った使い回しだったか…、気分悪…」
俺は電源を切り棚に戻すと、ベッドに座った。
「…ドラマの共演者」
「は、ドラマ?…ってドラマ…、へ?」
隆志は立ち上がりキッチンへと行き、ビールを持って来てまたソファに座った。
俺はさすがに躰がだるくてベッドに仰向けになる。
「えっと…まさか主役の杉本さん?、うわ…、マジ?俺なんかぜってー敵わねーじゃん…」
「はは…、ぶー!違う…、第一杉本さん結婚してんじゃん…、それに俺なんか相手にすっかよ…」
「えー、じゃー…野中?それ共鳥越君?」
…なんか眠くなって…きた…
「ぶー…」
「えー、後いねーじゃん…はー?まさか伊藤さんなんつーオチ?
はは、それはねーか…いくら何でもオッサン過ぎだし、格好良くねーし…、
あ〜分かんね!チョイ役の誰かか?
なあ、ギブ!教えろよ…」
「…かい…」
…もう。
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