《MUMEI》

フリー走行時のオレは、膝を擦れない自分のライディングを"格好悪さ"というコンプレックス程度にしか捉えていなかった。


なぜ速いライダーが、コーナリング中に膝を擦るのかを突き詰めて解こうとしなかったのだ。


そこにテーマを置いてフリー走行を走っていれば、もっと早く自分の走りの弱点に気付くことができた筈だ…。


そう…

オレの決定的な弱点とは、コーナー中のスピードを殺し過ぎることにあった。


ターンするときにマシンをバンクさせる角度が浅く、その分、速度を犠牲にしないと曲がれないのだ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫