《MUMEI》

しばらくいろいろな話をした。

加奈は、買ってきたコンビニ弁当を食べ、僕は瓶に入った血を飲んでいた。



「空は、なんでご飯食べないで、いつもそれを飲んでるの?」



「食欲ないんだ。でも、何か体に入れないと、倒れるから、仕方なく飲んでるんだよ。」




勿論嘘だった。でも、こういうしかなかった。




「そんなんだ。でも飲むだけじゃなく、何か食べた方がいいよ。」


「うん。心配したくれてありがとう。」



あぁ、加奈が僕に優しくしてくれると、僕は自分を、抑えられなくなる。


加奈が動く度に、加奈の鎖骨や首筋が視界に入る。
僕は、噛み付きたくなるのを必死に抑える。


「空?どうしたの?」

「うんん、何でもないよ。」

知らず知らずのうちに、加奈の首筋や鎖骨を見てしまっていた。


「空、なんか隠し事してるでしょ?」


「しっ、してないよ。」


僕は、必死に否定した。


「そう?」


「うん」


加奈は、渋々納得したが、まだ納得仕切れてないようだ。


「なんかあったら言ってね。力になるから。」



「ありがとう。」



僕は、【言えたらどんなにいいか】っと心の中で呟いた。

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