《MUMEI》
疲労
100周目…

ゼッケン1の NSR …ラパイド2号との差は、3秒程度に開いていた。


もう奴に無理に喰らい付いてゆくことは諦めていた。

オレの意識は、次の交替まで無事に走りきり、岡ヤンにバトンを渡すことに重点を置いていた。


マシンは100度目の1コーナー進入を決める。

オレが走り始めてから、間もなく30分が経過しようとしていた。


(さすがに疲れた…)

走行中はマシンの上で絶え間無く体重移動を繰り返すことになる。

首の後ろが痛く……二の腕や太ももの筋肉も悲鳴を上げている。

先ほどのライダー交替の際、岡ヤンがフラフラになっていた様子も頷ける。

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