《MUMEI》
ペアリング
,




次の日のクリスマスも…


雪は降り続いていた。



「ホワイトクリスマスだな♪」



雅樹は嬉しそうに呟く。



私もその嬉しさにつられて笑顔になってしまった。



「雅樹―……大好き……」



「何だよ〜いきなり…」



「ん〜なんとなく」



私は雅樹に抱きついた。


何か私…


妙に大胆だな…



「秋菜……可愛い!!!!」



雅樹も私を抱き締める。



「雅樹―…渡したいものが…」


私はそう言って立ち上がった。


鞄から袋を取り出し、雅樹に渡した。


「はい!!たいしたものじゃないけど……」


「まじで……??ありがとう…」


雅樹は私をキツく抱きしめた。


「あっ…俺も秋菜にプレゼントある」


「えっ…!?」


「秋菜、目瞑って」



私は静かに目を瞑った。



雅樹は静かに私から離れていった。



私は少し不安になった。



でも直ぐに雅樹は戻ってきた。


「まだ目瞑ってろよ」



「うん…」



3分くらい経って雅樹は言った。


「いいよ…」



私はゆっくり目を開けた。



私は目を開けて涙が出そうになった。



「これ………」



雅樹は優しく微笑む。





雅樹が私にくれたもの……





それは綺麗なシルバーリング…





シルバーリングは私の右手の薬指で輝いていた。





「俺もつけてる!!ペアリングだぜ!!」



雅樹は私に自分の右手の薬指を見せる。




「雅樹―…………」




「いつかあげようと思ってたんだ……秋菜に……秋菜……ペアリング…気に入ってくれたか??迷惑か??」



「そんなわけないでしょ……!!」


嬉しすぎるよ………



嬉しすぎ………




「凄い嬉しい―………」




「良かった―………」




雅樹は私を優しく抱き締める。


私は涙を流す。










「秋菜……愛してる……」












一生忘れない―………








あなたと過ごした………










最後のクリスマス―………












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