《MUMEI》 最悪の刻気がつくと暑さのピークも過ぎ、コース上の気温も1〜2度下がっていた。 そんな刻… オレ達のチームにとって、最も屈辱的なシーンが刻一刻と近づいていた…。 102周目… オレが直角コーナーをクリアした時だった。 背後から迫ってくる割れたチャンバー音が、やけに耳障りだった。 (誰かがきた…) オレという男は、姿が見えない相手……背後から来るライダーには、警戒心が弛いのだろうか…? またオレより速い下位のライダーが追い付いてきたのだろうとタカをくくってしまった。 前へ |次へ |
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