《MUMEI》

その音は、S字クランクでマシンを切り返す度に大きくなり、U字コーナー手前の緩やかな右コーナーではピタリと後ろにつかれたのが分かった。

その気配の強さから、数十センチ程度の距離まで接近していると思われた。


パパアアアァァーンッ!!

音の主は挑発的に煽ってくる。

レース中にこんな態度を取るチームと言えば…


(まさか…!?)

オレは即座に"例のマシン"がオレと同一周回に復帰した時を思い出した!

(※298〜299章参照)

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