《MUMEI》
2人きりのショッピング
,




12月28日―…



今日は珍しく、千夏と2人きりでショッピングに来た。


「あっ!!あの洋服、秋菜に似合うんじゃない!?」


「え〜千夏のが似合うって」


私たち初めての女2人のショッピングに少しはしゃぎ気味だった。


お揃いのストラップを買ったりプリクラを撮ったり…


凄く楽しかった。


「お腹すいた!クレープ食べよう!!あそこのおいしいんだよ」

私と千夏は、お洒落なクレープ屋さんへと入った。


わぁ……


どれもおいしそう……


「私はぁ〜苺バナナクレープにしよーっと☆秋菜は??」


「うーん…どれもおいしそうで迷う」


「でしょ―♪此処のクレープ屋さんは全部おいしいんだよ!!」

「じゃあ〜…チョコバナナクレープにする!!」


私と千夏はレジに行ってクレープを買い、窓側のテーブルへと向かった。


「おいしい〜☆とろける!!」


千夏は笑顔でクレープを食べている。


可愛いなぁ〜って思えた。


すると千夏は私をじっと見つめた。


「なっ何?」


「秋菜って…彼氏いんの??」


あぁ…
成る程……


千夏は私の右手についてるシルバーリングを見てたのか…。


「あぁ…うん…まぁね」


「そのシルバーリング超可愛い!彼氏とペア!?」


「うん…」


「そのシルバーリングのペアってクリスマス限定のなんだよ!!羨ましい〜!!!!」


えっ…


嘘…


知らなかった…


雅樹はそんなにいいものを私の為に…??


「秋菜は彼氏に愛されてるんだね〜☆そのシルバーリングって"永遠の愛"が込められてるんだよ!!」


「嘘っ!?」


「本当♪"例え近くにいなくても愛し続ける…"ってゆう言葉も込められてるらしい!!」


私は自分の指にはまっているシルバーリングを見た。



雅樹………


私はシルバーリングを見ながら心の中で
"ありがとう"
と呟いた。


「秋菜さぁ〜彼氏いるなら言ってよ〜!!いつから付き合ってるの??」


「うーん…去年の11月の終わりごろぐらい…」


「えーっ!!長い!!もっと早く言ってよ〜!!一年以上も付き合ってるじゃん!!」


言えないよ…


私に彼氏がいるなんて知ったら皆して気を使うでしょ??


「で…相手は!?」


「ごめん…それはちょっと…」


「言えない??もしかして訳ありなの??」


「うん…ごめんね」


「別にいいよ!!でも何時か教えてよね♪」


「もちろん!」


私は笑顔で頷いた。


何時までも黙ってはいられないしね。


雅樹が落ち着いてから皆には話そう……








話そう…………









と、









思っていた―………









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