《MUMEI》
雅也の冷たい瞳
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今年もやってきた―……



大晦日…




今年も雅也たちと年を越す。



雅樹は今年もカウントダウンライブがあるんだって。



「一年前もこの家で年越したよな〜!!」


雅也は懐かしげに言う。


そう…


丁度、一年前もこの家で…



「雅也は今年も紅白歌合戦…」


真琴はため息まじりに言う。


「観るぜ!!今年はどっちが勝つかな〜!!去年は白組勝ったんだよな☆」


「しらねーよ!俺は観てねーもん!!紅白歌合戦」


「私たちはMASAKIのカウントダウンライブ観たもんね!!」


千夏は笑顔で言った。


今年も観たいな…

雅樹のカウントダウンライブ…


「今年も観たいな…」


私がボソッと言うと雅也だけが反応した。


真琴はテレビをつけて私の声は聞こえてなくて千夏はトイレに行っていたから。


「秋菜―…アイツが好きなの??」

「えっ…」


その言葉には真琴も反応した。

「好きって…雅也…ファンとしてだろ??」


真琴は呆れたように言う。


「うっうん…真琴の言うとおりだよ…ファンとして好き…」


「ふーん…そのシルバーリング誰から??」


「あっ…」


私は言葉を失った。


真琴も私のシルバーリングを見る。


「かっ…彼氏いたんだ…」


真琴は目を丸くした。


「うん…」


「早く言えよー!!」


真琴は千夏と同じような反応をしてくれた。


そして、自分もそのシルバーリングいつか誰かにあげたいな〜って話しとかもしていた。


だけど雅也は違った。


ずっと、私のシルバーリングを見つめているだけだった。


その間に千夏も帰ってきて真琴と2人でテレビを観ていた。


雅也はいきなり表情を変えて真琴たちとテレビを見始める。


でも私はテレビを観ることも出来ず、雅樹からもらったシルバーリングだけを見つめていた…










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