《MUMEI》

眼か覚めると、周りは何もなく、真っ暗だった。



これが黄泉の国だろうか。そこは、イメージとは、全然違う場所だった。


「所詮、イメージはイメージ。全然違ってもどうでもいいか。」



俺は、呟きながら歩いて行った。すると、目の前に若い男が、立っていた。



「意外に遅かったな〜。もうちょい、早よ来てほしかったわ。」



立っていた男は、背が高く、髪は茶色で、スーツ姿だった。



「お前、誰だ? 馴れ馴れしいんだよ。」



俺は、歩きだして、通り過ぎようとした。



「チョイ待ってぇな。あんちゃん状態キツいわ。」




男は、俺の袖を掴んだ。



「放せよ。」


俺は、腕を振り回し、男を放そうとする。



「暴れんなや。ちぃと話だけ聞いてな。」


「なんだよ。」


男が余りにもしつこいので、話を少しだけ聞く事にした。




「聞いてくれるか−。ホンマ優しいな〜。」



「早くしろよ。」




「ほな、話すで。実はあんたには、もう一度人生をやり直して貰う事になったんや。」





「………はぁ?」

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