《MUMEI》 年が明けて, 大晦日もいよいよ終わりに近づいていた。 千夏はMASAKIがやるカウントダウンライブへとチャンネルを変えた。 「おー☆やってる、やってる♪」 千夏は超ご機嫌。 雅也は部屋を出て行った。 真琴はテレビに夢中になる。 「あれ…??」 千夏はテレビに映った雅樹を見て首を傾げる。 「ねぇ…秋菜―…MASAKIがつけてる指輪さぁ…秋菜と一緒…?」 「すっげ〜!!秋菜、有名芸能人とお揃いかよ!!彼氏に感謝だなぁ!!」 「いいなぁ!!私もそのシルバーリングほしい!」 2人は思ってもいないだろう… 雅樹が私のその"彼氏"だとは。 自分たちの友達がまさか、有名芸能人の彼女だとは。 このシルバーリングが雅樹とのペアリングだとは…。 私は部屋を出た。 雅樹のカウントダウンライブは気になったけど同じように雅也の様子も気になった。 隣の部屋に行くとベランダから夜空を見上げる雅也の姿が。 「……雅也…??」 私の声に気づくと雅也は振り返り、何時もの笑顔を見せた。 「秋菜も来る??」 私は頷いてベランダへと向かった。 「今年も…終わっちゃうな…」 雅也がぽつりと呟く。 「一年て、あっという間だね…」 きっとそう思えるのは… 雅也たちがいるから。 「秋菜―……もし、流れ星が見えたら、何を願う??」 「え―……??」 隣の部屋からカウントダウンの声が聞こえる。 去年と違ったのはカウントダウンしているのは雅樹だということ。 「俺は―……………」 あと5秒…… 「俺はさ……」 あと3秒…… 「好きな人が…………」 あと1秒…… 「幸せになれますようにって… 願うよー………」 年が明けて……… 一番最初に見たのは…… 綺麗な夜空と……… 雅也の切ない横顔―………… , 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |