《MUMEI》
舐められる屈辱
103周目…

オレンジ色の NSR は、1コーナーの進入で大きくインを開けてターンを決めた!


これからトップを狙うために、少しでもタイムを稼ぐことが出来るレコード・ラインを辿っているのだろう。

だが、後ろにオレが居ることなどお構い無しにインを開けてゆく様は、完全にオレなど眼中に無いと言わんばかりだ。


(舐められてる…。)

オレは奴の背中を睨みながら、奥歯を噛みしめた。

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