《MUMEI》
魔女は詠い天使は翼を広げる
「まったく・・派手に戦闘が遭った所に行けば会えると思ったが・・」
上空を飛んでいく二人の姿を見上げながらハンディングが自身も空へと飛翔する。
「何処へ行くつもりだ?」
上空で彩詩たちと合流したハンディングが声をかける。
「・・狩月と琴を助けに行くんだけど・・」
彩詩の視線からダイタイの位置を探ったのかハンディングが口元に笑みを浮かべる。
「その必要は無いだろうな。」
「何でさ?」
「随分と強い味方と一緒に居る。」
「味方?」
不思議そうに首を傾げる彩詩を面白そうに見ながらハンディングは質問をする。
「キティホークが何処にいるか知らぬか?」
「あ・・それなら下に。」
彩詩が中央公園を示す。
「ほぅ・・丁度良い所に。彩詩、力を貸せ。街からモンスターを一掃できるかも知れぬ。」
そう言うと返事も待たずにハンディングは公園へと降りていく。
「・・・私には何も無しか〜〜!!!」
リアムが不満そうな声を上げながらも地上へと降りていく。
「狂気の深淵ともあろう者が怪我でもした?」
ハンディングの姿を確認したキティホークは笑いながら声をかける。
「・・・モンスター探知を頼めぬか?」
それを聞き流し用件のみを告げる。
「・・どのくらいの範囲?」
「街全域を出来る限り精密に。」
「解った、やってア・ゲ・ル。」
ハンディングの言葉に悪戯を思いついた子供のような笑みを浮かべ、アイズに向かって声を上げる。
「アイズ、サポートお願いね〜」
「はい。」
頷くとアイズは詠唱を始める。
「3分で、完璧に探知してあげる。」
キティホークも詠唱を始める。
それを確認した後、ハンディングと彩詩は再び上空へと飛翔する。
「で・・どうするの?」
「広域破壊用のスキルを使え。それだけで良い。」
「街ごと壊すつもり?」
「我が狙いをつける。道は多少壊れるかもしれぬが・・怪我人は出さぬ。」
「・・・信じるよ。」
頷くと彩詩は詠唱を始める。
「・・清浄なる真意の光、深緑の風よ。集い、その光を纏いココに顕現せよ。束ねよ、束ねよ、幾重にも・・億千万の翼となりて我に力を。」
詠唱が終わり彩詩は純白の翼を背に空に佇む。
「・・天、放つところに我は在り。門、開く処に汝在り。導くは闇。示すは力。マナ集い・・」
その隣、詠唱を続けるハンディング。

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