《MUMEI》
降り注ぐ光の羽
「千里、一つとし。」
「我が目に写す。」
「遠く望むは彼方。」
「永く願うは主の導き。」
キティホークとアイズは互いに歌うように詠唱を紡いでいく。
「「ココに遠の光と成し。」」
「「刹那の時を持って、写し出せ。」」
「「箱庭の瞳」」
一瞬にして二人の視覚に街の情報が入り込む。
「総数9877匹・・位置情報確認。」
「未来位置予測・・完了。」
ガクリと倒れそうになるアイズを即座にごまが支える。
「転送・・開始。修行不足だねぇ・・アイズ。」
苦しげな呼吸をしながらもキティホークは空を見上げる。
「箱庭の瞳」光系の第5位の精霊術。光の精霊の力で設定した範囲の情報を完全に把握するスキル。
しかし、戦闘などにより大気中の魔力が歪んでいるトキの使用は非常に難しく、また広範囲を探るためには莫大な魔力を使う。
空には巨大な翼を纏う彩詩とその横で詠唱を続けるハンディングの姿。
「・・彩詩、準備は出来た。後は・・」
「私達が撃てば終わり。でしょ?」
翼を一層大きく広げ詠唱を始める彩詩。
「舞い落ちるは純白の羽。白き雨は魔を払い・・」
背の翼が光を帯び始める。
「導き手の闇は幾千、億千・・」
ハンディングの眼前に漆黒の球体が現れる。
「願う心はココに。静かなる光は真意の矢と成り・・」
翼が強く光を放つ。
「リュンケウスの葉脈。」
漆黒の球体が数千に枝分かれしながら街へと広がっていく。
「行け、彩詩!!」
「討ち抜け・・リングレイン!!」
背の翼が爆ぜるように羽を射出、直後その方向が闇色のレールによって導かれ変化する。
街へと光の雨が降り注ぐ。闇色のレールに導かれ障害物を回避し、ただ、モンスターのみを討ち果たす為に。
「リュンケウスの葉脈」闇系6位の精霊術。全属性の広範囲攻撃を精密に誘導するためのスキル。
本来、広範囲攻撃には誘導性能は無く、対象範囲を破壊するモノだが、このスキルを併用する事で超精密攻撃が可能となる。
しかし、その為には事前に標的の位置や、障害物の位置などを熟知していなければならない上、複数の標的を同時に狙うのは非常に困難である。
「リングレイン」光系11位の広範囲殲滅型魔法。エンジェルウィングとの併用でしか使用する事が出来ないが、その破壊力は地形を変えるとまで言われる。

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