《MUMEI》

佑を間近で久しぶりにみた。


少し黒めの肌。
栗色の髪。
肩に多少かかる髪。

セットして、
かっこよく見えるけど、

テスト間近の佑の

勉強わかんねえ
の声に
かけつけたあたしが見るいつもの佑の髪は
シャワー浴びたての
ペタンコの髪。


佑が一生懸命選ぶ香水の匂いじゃなくて、
佑の家のシャンプーの匂い。


あたしにとっては、ペタンコでもペタンコじゃなくても
佑は変わらない。


相変わらず、
目は二重でぱっちりしてる。
けど、
なんか
年取る度に
目はキリってして
男らしいなって思ってた。
でもすごく、幼い笑顔でわらうんだ。
偽りのない表情で。


こうやってみると



佑てカッコイイんだなって思った。






でも、
何も言わずに黙々と歩き続けるうちらに、


また近くなる理由を与えてくれる
キッカケは、
見つかりそうもなかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫