《MUMEI》
戦いは続く
蒼海の一撃は渾身、肩の負傷など無いかのような横薙ぎ。
それを防ぐのはクリムゾンローズ。
キィン!!
響く金属音は軽く、蒼海はクリムゾンローズにぶつかる直前にシンギの手を離れ、弾かれる。
その一撃は完全な囮・・シンギはそのまま彩詩の前で大きく体を旋回させる。
蒼海の一撃を重いと予測していた彩詩はそれに反応は出来ても動くには至らない。
「ッ!!」
高速での旋回を終えたシンギが放つは劫火の高速連撃。
キキキキキィン!!
夜霧で受けるが体勢は不安定・・
バサリ!!
背の翼が大きく加速を呼ぶ。
ギィン!!!
劫火の一撃を加速された夜霧を叩きつけるように防ぎ、シンギの手から劫火を弾き飛ばす。
「まだだ!!」
弾かれた劫火に無手の右手が追いつきさらに斬撃を繋げる。
ザン!
鎧を断ち切り、彩詩の体に裂傷が走るが、致命傷ではない。
その証拠と言うかのように背の翼が羽を弾丸として放ちながら彩詩は大きく後退する。
ドドドド・・
数発がシンギの体を打つがシンギは意に介さず、追撃をかける。
距離は10メートル近く空いてしまっている上、彩詩は上空・・だが。
「叩き落せ・・蒼海!!」
上空へと弾かれていた蒼海が大量の水を召還、上から下へ滝の如き水流を彩詩に叩きつける。
翼で自身を包むようにして、水流を防ぐが地面へと叩きつけられる。
バシャァアアアン!!
水柱が地面に当たり地面の熱によって蒸発し、霧となって周囲を覆う。
「が・・ぐ・・」
倒れたまま彩詩が血は吐く。
「これで・・終わりだ!!」
上空から落ちるようにシンギが双剣を突き出す。
「・・双流、衝塵牙!!」
劫火という極高温の物体に蒼海という無限ともいえる量の水を重ねる・・それによって引き起こされるのは水蒸気爆発の連鎖。
地面は抉られ、爆風は衝撃波をばら撒き、周囲を木っ端微塵に打ち砕く。
爆風によって霧が消し飛び、視界が晴れる。
公園は見る影も無く、シンギを中心とした辺りには巨大なクレーターが出来上がっていた。

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